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 心理療法ノート 

潜在意識を活性化しよう   堀 剛    

 氷山というのは見える部分は小さいが、海底に向かって 大きな氷が存在する。人間の心の構造は氷山に似ている。

 顕在意識は海の上に浮かんだ氷のようなものである。その下には巨大な潜在意識が潜んでいる。どちらが大きいかなどとサイズで計れるものではないが、潜在意識は巨大なものだと思う。だから、どのようにそれをコントロールできるかということは、その人の人生に大きな影響を与えるとも言える。潜在意識を適正にコントロールすることが出来れば、もっと楽に生きることが出来るだろう。
 言うまでもないが、心理療法はそれを行う場所でもある。時に人生相談も受けることがあるが、その物語的な側面と同時に心理的、かつ潜在意識、あるいは無意識の世界にまでかかわっていくのが心理療法である。

 潜在意識と顕在意識の間には、クリティカル・ファクター(臨界意識)と呼ばれるものがあって、二つを分かっていると言われる。これは12、3歳頃にできあがると考えられている。

 そして、いったん潜在意識の方へ入ったものはそう簡単には動かない性質があるようだ。だから、潜在意識はその人の行動を支配することになる。でも、通常は顕在意識によってそれが認識されることはないので、知らずと何らかの性格形成や思考パターンのようなものが出来上がってくる。
 幼い頃に経験したり、感じたりしたことはしっかりと根を降ろして、時にはトラウマとなってその人の人生に限界づけをするような誤ったプログラミングとなって残存したりする。

 だから、心理療法が目指すのは、何とかして潜在意識の世界に入り込んでプログラムされているものを書き換えようとする作業のようなものである。催眠的な暗示もその一つであるし、様々なイメージ療法が存在する。

 あるいはもっと自然な瞑想を行っているだけでも、やがてそれが潜在意識に届いて行く。「思考は実現する」という言葉があるが、思考は顕在意識領域のものであっても、繰り返し同じような文言をたどるならば、やがては暗示となって潜在意識に語りかけて行くのである。
 だから、考えていることと関係のある場面が夢の中に出て来て、不思議な気づきを与えられるというようなことも起こる場合もある。

 ところで、イメージの世界はいわば言葉を超えた世界とも言える。あるいは、正確には論理的な言葉による思考を超えた世界というのが適切かも知れない。かつてフランスで始まった芸術、文学におけるシュール・レアリスム(超現実主義)の運動は、無意識世界の表現を試みたものだった。たとえば、詩人ではアンドレ・ブルトンが代表的だし、日本では西脇順三郎や瀧口修造らの詩人が有名である。

 シュール・レアリスムの詩の技法としてはオートマティズム(自動記述法)というものがあるが、これはひたすら浮かんでくる言葉を、論理性や文法を意識しないでひたすら書き殴るという感じの創作方法である。無意識の世界がそこに表現される。だから、書き手はその作品が何を表現しているのかを説明するのが困難であったりする。なぜなら、もともと論理的な言葉の世界に無い潜在意識あるいは無意識の世界を言葉化したのであるから。

 この手法はユングがアクティブ・イマジネーションとして思いつくイメージを記述するという方法を取っているものにきわめて近いと思う。前者は芸術分野や詩学へとつながっているが、ユングの場合はセラピー技法の一つだと言えよう。 心理療法室において、そのような心的世界の実験をあえて行うことは少ないとは思うが、無意識や潜在意識に働きかける一つの方法であることに間違いはない。

    
 





  

 

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