なりたい自分をめざして 堀 剛
心理療法として、なりたい自分について暗示文を作成する場合があります。暗示文の作り方は簡単です。たとえば、なりたい自分をイメージしてみます。そして、箇条書きに書いてみます。
「わたしは・・・・になりたい」というフレーズをいくつか書いてみてください。そして、これを「わたしは・・・・である」という現在形の言葉に直してみましょう。
「わたしはとても上手にスピーチができるようになりたい」だとすれば、「わたしはとてもスラスラとスピーチする」というような現在形になおしましょう。
そのときに、気をつけるべきなのは次のような文章です。「わたしはタバコをやめることができる」。
この言葉のトリックがお判りでしょうか?やめることができるというのは、今はやめていないけれども、いつでもやめることが可能だと言っているに等しいのです。
要するに、今やめていないということになってしまいます。ですから、単純な現在形で書くというのが、暗示文作成のコツと言えるでしょう。
そして、いくつか並んだフレーズの最後は、有名なエミール・クーエの言葉で締めくくりましょう。「わたしは日々あらゆる面でますます良くなっていく。」
さあ、自分のないたい像を暗示文にして、しっかりそれを唱えましょう。特別な自己催眠が先に出来れば、なお効果的なのですが、それが出来なくとも深い深呼吸を3、4回してから、しずかに暗示文を小声で読んでみましょう。そして、なりたい自分の姿を目を閉じてイメージしましょう。
これを繰り返していくだけで、あなたはますます日々あらゆる面で良くなって行きます。
人間は誰でも自分が望んでいない存在になることは無いとわたしは思います。宝くじだって、買わないと当たりませんよ。(買うから外れるという説もあるが・・・・!?)
人は自分がイメージした自己になっていくと思います。なりたい自分に向けて、しっかりイメージを作り上げましょう。
心理療法室ではこのようなトレーニングも行いますが、これはじっくりと自分を見つめる作業でもあります。そして、ヒプノワーク心理療法室で行う催眠療法は、性急な暗示を強要するようなものではなく、心理療法のプロセスを通してその人が本当のなりたい自分を見いだしていくための一つの方法だと考えています。