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 心理師ブログ 

潜在意識に語りかける    堀 剛

 氷山というのは見える部分は小さいが、海底に向かって 大きな氷が存在する。タイタニック号は見える部分によって破壊されたのではなく、見えない部分によって破壊され沈んだと言える。

 人間の心の構造は氷山に似ている。健在意識は海の上に浮かんだ氷のようなものである。その下には巨大な潜在意識が潜んでいる。同じように、人間の心は約9割が潜在意識だと考えられている。だから、巨大な潜在意識をどのようにコントロールできるかということは、その人の人生に大きな影響を与えるとも言える。潜在意識を適正にコントロールすることが出来れば、もっと楽に生きることが出来るだろう。

 潜在意識と顕在意識の間には、クリティカル・ファクター(臨界意識)と呼ばれるものがあって、二つを分かっている。これは12、3歳頃にできあがると考えられている。

 そして、いったん潜在意識の方へ入ったものはそう簡単には動かない性質がある。だから、潜在意識はその人の行動を支配することになる。でも、通常は顕在意識によってそれが認識されることはないので、知らずと何らかの性格形成や思考パターンのようなものが出来上がってくる。幼い頃に経験したり、感じたりしたことはしっかりと根を降ろして、時にはトラウマとなってその人の人生に限界づけをするような誤ったプログラミングとなって残存したりする。

 だから、催眠は何とかして潜在意識の世界に入り込んで、そこにプログラムされているものを書き換えようとする作業のようなものである。暗示もその一つであるし、様々なイメージ療法も存在する。

 あるいはもっと自然に短い時間の瞑想を行っているだけでも、やがてそれが潜在意識に届いて行く。だから、「思考は実現する」という言葉があるが、思考は顕在意識領域のものであるが、繰り返し同じような思考を行うことは、やがては暗示となって潜在意識に語りかけて行くのである。だから、いつも考えていることと関係のある場面が夢の中に出て来て、不思議な気づきを与えられるというようなことも起こってくる。

 ところで、イメージの世界はいわば言葉を超えた世界とも言える。あるいは、正確には論理的な言葉による思考を超えた世界というのが適切かも知れない。かつてフランスで始まった芸術、文学におけるシュール・レアリスム(超現実主義)の運動は、無意識世界の表現を試みたものと言って良いと思う。たとえば、詩人ではアンドレ・ブルトンが代表的だし、日本では西脇順三郎や瀧口修造らが有名である。

 シュール・レアリスムの詩の技法としてはオートマティズム(自動記述法)というものがあるが、これは詩人がひたすら浮かんでくる言葉を、論理性や文法を意識しないでひたすら書き殴るという感じの創作方法である。無意識の世界がそこに表現されるのである。だから、書き手はその作品が何を表現しているのかを説明するのは困難であったりする。なぜなら、もともと論理的な言葉の世界に無い潜在意識あるいは無意識の世界を言葉化したのであるから。




  

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