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 心理師ブログ 


青年期の危機     堀 剛    

 人間の人格形成過程において、思春期、青年期の「危機」は自立と成長と不可分なものであると思う。どのような成長をもたらすかは本人ばかりでなく、周囲の人々によっても大きく左右されると思われる。
 そのような危機は、家庭環境や親との人間的なかかわりなどが原因であることもあるが、非行などの場合は本人の問題というよりは、家庭全体の問題が背景にあって起こっている場合も多いかも知れない。それらはシンナー、喫煙、飲酒、性行、窃盗など様々な事象となって現れる。
 このような思春期、青年期の「危機」がやがては成長的意味を持つ「危機」として、反省的に人生の糧となるかどうかも周囲の理解と愛情にかかっていると思う。未成年者による家庭内での暴行事件などがしばしば報道される時代において、「危機」を何とかして成長へと転化できるかは本人の力だけではどうにもならないこともある。社会の責任も問われている。

 家庭などの環境的要因がいかにあろうとも、自己とその外部世界との関係、自己同一性を自問せざるを得なくなるというのも思春期、青年期における「危機」の特徴と言えると思う。私の場合も、18歳頃は自分への自信もなく、周囲の目が気になり、手探りで自分を確かめるような時期が続いた。「どう生きるのか」という問いと理由のない不安を抱え込んでいたと思う。そして、私はキリスト教に入信した。

 だが、しばらくは慰めとなったが、やがて教会の牧師ともあまり話が合わなくなった。今にしても思えば、父親的な何かを牧師に求めたのだと思う。要するに当時の私なりの陰性転移が起こっていたのだと思う。(陰性転移とはその人の心の問題がカウンセラーに投影されるものであり、陽性の場合はカウンセラーへの好意などとして現れるが、陰性の場合は敵対心や反抗心となって表現される。カウンセラーがそれをいかに受容するかも治療の過程に重要なものと一般に考えられている。)やがて私は牧師に反発すらした。その牧師は命の電話などにも関与しておられ、カウンセリングの知識などを持っておられた。

 今にして思うとクライアント中心療法的な対応だったのだろうが、何でもふんふんと聞き役に回られ、何ら指示的なアドバイスも無いということに私は失望した。その結果、カウンセリングとは指示的な姿勢に欠落したものであり、当時の言葉で言えば「欺瞞的」なものにすら思えた。そして、浅はかにもカウンセリングとはそんなものだと思いこんでもいたようである。

 そのような反発の中にあっても、広い意味では十二分に私は自分の成長を援助していただいていたのだと思う。よって、対話の手を差し伸べる誰かがいるということによって、思春期、青年期における「危機」は成長的「危機」へと転化され得るのだと思う。その意味で、かつて助けられた者として、いまは少しでも何かできればと思うのである。

 もっとも、私は催眠療法に関心があるのは、言葉よりも言葉によるイメージを使ったセラピーの方に個人的関心が強いからであるが、そのどちらにも共通の考え方なども多くある。また、セラピストがその人その人の得意とする方法を持ち合わせることになるのは、ある意味で方法の違いではあっても、向かうところはさほど違うとも思えないのである。




  

 

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